風水の歴史
風水というのは、古代中国から続く位置の吉凶を決めるために作り出されたシステムであり、思想です。中国では、都市作り、家作り、その他の建物や、またお墓など、様々なものが、風水を元に設計して作られてきたのです。お墓にも風水を重要視するのは、お墓を死者の家と考え、死者も幸せに過ごせるようにという考え方があるからです。現代の中国では、どちらかといえば、お墓に関して風水を重要視する傾向がありますね。
そして風水で重要となるのが、「気」で、風水の出発点となっているのは道教です。では道教が何かというと、宗教のひとつです。ではどんな宗教かというと、道教は仙人になることを究極の目標としています。つまりは不老不死です。不老不死というと、ちょっと胡散臭いもののように思えるかも知れませんが、まあ、健康で長生きするための思想や習慣のようなものです。宗教的な意味あいがなければ、健康法といってもいいでしょう。
そして風水は、道教の陰陽五行説を応用して生まれました。二十四節気や干支などで日本でもなじみ深いですよね。そしてなじみ深さからも分かるように、日本に風水の基本的な思想が輸入されてきたのはかなり昔のこと。本場中国で完成される前に、一部の理論が入ってきて日本で発展したために、中国の風水とはかなり異なる点があるのです。また、中国では、中華人民共和国になった際に一時期宗教が禁じられましたから、中国本土よりも香港、そして台湾のほうが風水は盛んです。紀元前以前に始まった風水の思想は、消えることなく現代まで受け継がれているのです。